自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



昨日、入学式が終わったあと俺はかなり不服だった。


階段にドカッと座ってタバコを吹かしてる3年の先輩が。


通ろうとしても避けない。


「避けて下さい」って言えば何十倍で文句の嵐。


バカみてぇ。



「なんで避けないんスか?」

「なんでって……俺が“トップ”だからに決まってんだろ!」


タバコを吸って下品に笑った。


俺、かなりヤバイのに関わったな……。


“トップ”は、ケンカに強い選ばれたヤツしかなれない座。


でも……こんなの不服。


単純に、人に迷惑かけてるだけじゃん?



「避けて下さい。通りたい人もいるんです」

「やめとけ……諒哉。帰るぞ」


銀が俺の腕をぐっと引っ張った。


「いや、待て。銀たん。俺は諒哉に賛成だぜ?だって諒哉の判断って案外合ってるし」

「おい……大地。俺らだけで、どうにかなる相手じゃない」

「銀たんは分かってない!俺は強い!」

「そうゆう問題じゃなくて、俺は関わるなって言ってる」



あー………銀と大地の言い合いの時間が無駄!



「先輩。トップの座……交代してよ」



この一言が俺と3年のトップ交代の瞬間。


トップ交代のケンカの幕開け。


< 11 / 324 >

この作品をシェア

pagetop