自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
昨日、入学式が終わったあと俺はかなり不服だった。
階段にドカッと座ってタバコを吹かしてる3年の先輩が。
通ろうとしても避けない。
「避けて下さい」って言えば何十倍で文句の嵐。
バカみてぇ。
「なんで避けないんスか?」
「なんでって……俺が“トップ”だからに決まってんだろ!」
タバコを吸って下品に笑った。
俺、かなりヤバイのに関わったな……。
“トップ”は、ケンカに強い選ばれたヤツしかなれない座。
でも……こんなの不服。
単純に、人に迷惑かけてるだけじゃん?
「避けて下さい。通りたい人もいるんです」
「やめとけ……諒哉。帰るぞ」
銀が俺の腕をぐっと引っ張った。
「いや、待て。銀たん。俺は諒哉に賛成だぜ?だって諒哉の判断って案外合ってるし」
「おい……大地。俺らだけで、どうにかなる相手じゃない」
「銀たんは分かってない!俺は強い!」
「そうゆう問題じゃなくて、俺は関わるなって言ってる」
あー………銀と大地の言い合いの時間が無駄!
「先輩。トップの座……交代してよ」
この一言が俺と3年のトップ交代の瞬間。
トップ交代のケンカの幕開け。