臆病な恋
“告白”でないことが分かると、女子たち
は雪音から離れていった。
────でも…
透斗はさっきの春平の表情を思い出した。
自分のものにして独占したい──
そんな本気の顔だった。
「あの男、たぶん本気で黒川さんのこ
と………」
そう思うと、何とも言えない腹立たしさと焦燥感が襲ってくる。
雪音への感情に戸惑う透斗。
だけど一つだけ分かることがあった。
「1年の頃とは全然違うんだよな……」
噛み締めるように透斗は呟いた。