殺戮都市
「なあ、頼むから付いて来るのやめてくれよ。仲間に連絡取ってないだろうな?」


優を指差して、念のためにクギを刺す。


「はぁ!?連絡なんか取ってねーし!仲間って言ったって……皆死んだじゃない。あの男達は仲間なんかじゃないし」


寂しげに見えたのは気のせいだったかな。


怒ったような口調でそう言って、茶髪の髪をサッと後ろに払う。


「それに、どこに行っても私の勝手でしょ。あんた達の事は誰にも言わないから別に良いじゃない」


「だったら良いけどさ……俺達の邪魔すんなよ」


なんか苦手だな。


変に助けてしまったから、邪険にするのをためらってしまうというか……強く当たれない。


「少年は女に弱いな。臆病なのかカタいのか分からないけどな」


……否定は出来ないかな。


どちらかと言えば臆病なだけだと思う。


恵梨香さんの裸体を前にして何もしなかった事を、どれだけ後悔しているか……。


「い、いや、そうじゃなくて!それよりポーンなんですけど、さっきのやつに、喰われて死んだやつの顔があったんですけど……なんなんですか?あれは」


「話を逸らしたな?まあ良い、あれはだな……」

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