殺戮都市
「そんなんじゃないよ。あんたさ、優しいんだね。私の元カレはさ、ちょっと乱暴だったから……こうやって見てたら殴られたんだ」


そんな話をしていても笑顔のままで、優に対するイメージが変わるな。


「殴るようなやつと付き合うなよ。てか、そんな話どうでも良いけどさ」


「元カレって言ったでしょ。で、最初の彼氏でそれだったから怖くてさ、まだ一人としか付き合った事がないんだ。あ、もちろんエッチはしてないからね?」


俺にとってはそんな話どうでも良いよ。


優がエッチしたとかしてないとか、俺には何のメリットもない話だ。


「だから……少年は優しいね。私、笑っていられるんだもん」


ソファの座面で体育座りをして、膝に顔を付けて笑って見せる優。


その言葉と行動に、不覚にもドキッとしてしまった。


こんな事をクラスの女子からも言われた事がない俺は、どう対処して良いか分からない。


思わず窓際に歩いて、外の様子を伺う素振りを見せた。


街には……人の姿はなくて、怪物が屍骸を求めてうろついている。


上の階から見ると良く分かる。


1匹や2匹じゃなく、何十匹もの怪物が死体の処理をしているという事が。
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