殺戮都市
「お、おい……女だぞ」


「ああ……それも飛び切りの上物じゃねえか。どうする?」


「どうするってお前……そんなの決まってんだろ」


向かいの靴屋から声が聞こえたと同時に、通路に飛び出す男達。


女性を取り囲んで、連れ去ろうとしているのか……。


この街にいて、襲われないわけがない……か。


優の言葉が思い出されて、俺が飛び出そうとした時。



















ドサリと、男二人が床に崩れ落ちたのだ。


何が起こったのか。


半分立ち上がった俺を、女性が見下ろしている。


「……そこにいたのか真治少年。言われた通り着替えてみたが……どうかな?」


それは、服を着替えた恵梨香さんだった。


目立たないようにする為に着替えて欲しかったのに、まるで天使のように輝いて見える。


頭部を潰された二人の男の亡骸を前にして、クルリとその場で回って見せる。


「いや、あの……可愛いです。って、何ですかその格好は!ああもう、早くも二人殺しちゃって……」


大騒ぎにならなくて良かったけど、生き返ったらまたここに来るんじゃないのか?


光の粒に変わって行く二人の亡骸を見ながら、俺は恵梨香さんの手を引いて靴屋に入った。
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