殺戮都市
時間にすれば、バーコードと別れてから一日ほどしか経っていないだろう。


だけど、随分久し振りに感じる。


「とんでもなく強いやつと戦って……こっちに戻されてしまったんですよ」


「そうか、それは災難だったね。ところで……そのお嬢さんは?」


「もう……死んでます。ソウルがなかったみたいで」


俺がそう言うと、バツが悪そうにその薄い頭を掻く。


なんだかんだ言っても、このバーコードは良い人なんだよな。


変に擦れてないと言うか。


結構な年齢だろうから、今更この街に染まれないだけかもしれないけど。


「それで、そのお嬢さんをどうするつもりだい?真治君の彼女だったのかな?別れを惜しむ気持ちは分からなくもないけど……」


「そんなんじゃないです。俺を信じてくれた仲間だったんですけどね。怪物に喰われて欲しくないから、どこかに隠したいんですけど」


男女が二人いたら恋人だと思うのは、おっさんだからか?


だけど、そんな話でさえも、今のこの沈んだ気分を紛らわせてくれるならありがたかった。


「隠す……か。それも良いけど、いつまでも置いていたら腐敗してしまう。綺麗なうちに、火葬するのは……嫌かい?」
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