殺戮都市
「ま、まあまあ!君達が出会ったのは『ポーン』っていう怪物だよ。強化も出来てない武器で勝てる相手じゃないんだから、死んでも仕方ないよ」


鬼のような形相の明美さんを、新崎さんが止めてくれた。


まさか、こんなに怖い人だとは思わなかったな……。


「だってこの子、私が食べられそうになってるのに、動かなかったのよ!?何の為にそんな物騒な物持ってるのよ!」


そんな事言われても……俺だってこんな事をさせられるとは思わなかったし、この日本刀を持っているのも俺の意志じゃない。


「落ち着いてよ。ねえ和馬、本当にこの子達と行動するの?新人二人はきついんじゃない?」


「そうは言っても、放っておく事も出来ないだろ?それに星4と星5だ。上手く生き延びてくれれば、俺達も助かるはずだし」


だから、星の数が何だって言うのだろう。


その説明がされてないから、ここに来たばかりの俺には意味が分からない。


「あの、さっきから星がどうこうって、何なんですか?星5だから強いってわけじゃないですよね?俺、死んじゃったし……」


伝説の勇者みたいに期待されても、怪物を前にガタガタ震えていただけだし、あっさり殺された。


まあ、殺したのはあの女性なんだけどさ。
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