殺戮都市
一人で自問自答のように叫ぶ俺を見て、中川は明らかに戸惑っている。


だけど、俺を殺す事だけは戸惑うな!


「中川!俺を殺せ!今の俺は俺じゃない!このままじゃ、お前も……」


「黙れ!私の邪魔をするんじゃない!この先、弱いお前に何が出来るって言うんだ!」


俺の言葉を遮って、狩野が強引に身体を乗っ取ろうとする。


「坊主……分かったぜ!」


そう言って、動きを止めていた俺の身体を強引に引き寄せ、腕を首に回した。


ギリギリと締め上げて、身体が宙に浮く。


「どうだ、足場がなけりゃあ早くは動けねえだろ!何が何だか分からねえがよ、坊主を返せ!」


流石の狩野も、内から外から動きを制限されていては身動きが取れないようで。


ジタバタと手足を動かす程度しか、抵抗を見せる事が出来なかった。








松田を殺す事が出来た。


だけどそれは、俺の力じゃない。


日本刀……妖刀に秘められた狩野の思念とも言うべきものに身体を乗っ取られて、勝ったとは言えない勝利。


俺は……松田にも、狩野にも勝てなかったと悔やんで。


床を這う恵梨香さんのデリンジャーの銃口を見ながら、俺自身の弱さを嘆くことしか出来なかった。












銃口から放たれた銃弾。









それが俺の頭部を撃ち抜いて。









俺は死ぬことが出来た。
< 564 / 845 >

この作品をシェア

pagetop