殺戮都市
「さあ、死ね!」


その声と共に、二本の脇差を構えて俺に迫る木部。


一本一本の動きは見切れないほどじゃないけど、二本が入り乱れて俺に襲い掛かる。


上下左右、まるで二本じゃないかのように無数の刃が。


だけど……松田ほどの脅威を感じない。


一度、圧倒的な力と対峙しておいて良かったと言うべきかな。


目で追い切れない刃は、身体が動いてくれる。


回避と防御、それが上手く合わさって、押されてはいるけれどピンチだとは感じない。














……木部だけなら、の話だけど。















「グルルル……ガウッ!!」






俺と木部が戦っているのに気付いた怪物達が、我先にとこちらに向かって来ていたのだ。


「木部!怪物が来てるぞ!」


「だったら、怪物ごとキミを切り刻みますよ」


一時休戦……なんて都合の良い事にはならないか。


猛スピードで駆け寄ってくる怪物達が、飛び上がって俺達に迫る。


落下地点は俺と木部のいる所。


木部の猛攻を弾いた俺は、上空から接近する怪物に刃を向けた。


でも、このまま怪物を突き刺せば、木部に絶好のチャンスを与える事になる。
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