殺戮都市
「北条ちゃん、その心配はいらないみたいよ?外を見てみなさい」


入り口のドアを開けて、外を確認した大山田が、嬉しそうな声を上げた。


その声に、恵梨香さんがドアの方に歩いて行く。


俺もその後に付いて行くと……。














そこには、道路の幅いっぱいに人が集まっていたのだ。


怪物達が闊歩する道路で、それすら恐れないと言った様子の人達。


「こんなに……誰がこれ程の人員を集めてくれたんだ」


流石にこの人数には恵梨香さんも驚いたようで、目を見開いてその光景を見ている。


そんな中、外から聞こえた声。
















「騒がしいですよ皆さん。どこからポーンやナイトに襲われるか分からないんですから、もう少し静かにしてください」















木部が……この人の群れを仕切っていたのだ。


「木部ちゃんたら……こんなに人を集めてくれたのね。嬉しいわ」


そう呟いて、ホロリと涙を流す大山田。


……ゴツいおっさんが涙を流している姿なんて見たくないな。


「少年、南軍に連絡を取ってくれ。もう人が集まっているようなら、一時間後にバベルの塔に突入すると」
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