色のない世界
「何?」

「お前、偉いの?」

唐突な質問だった。

「さぁ?偉くはないんじゃない?怖いだけ」

「怖い?お前が?こんな細っこいのに?」

「あぁ?」

「こんな、もやしみたいな奴を何でみんなが怖がるんだよ?」

「誰がもやしなんだよ?」

「お前」

バキッ。

言うまでもなく喧嘩になった。

それが初めてした全力の喧嘩。

結果は引き分け。


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