サヨナラと秘密を用意して。


家まで送ってもらい、ついに言ってしまった。
その先はわかっているのに。

「陸、家にこない?」

家に入ったあたしは泣いてばっかりだった。

「陸がいないなんて寂しくて嫌だよ...」

「俺も本当はあおと一緒にいたいよ」

「嘘つき...」

「嘘なんかじゃないよ」

「じゃあ、好きなら好きと言って?」

「心からあおが好きだよ」

「本当?」

「本当だよ」

「離れててもあおの事想ってくれる?」

「想っているよ」


抱きついてずっと泣いてしまった。
優しく抱きしめてくれる陸。

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