恋の神様はどこにいる?
「う、うん。ありがとう……」
いつも最後にはこうして優しい笑顔を見せてくれるから、調子が狂うしドキドキがハンパない。
頭を撫でるだなんて子供扱いされているような気もするけれど、そうされることが嫌いじゃない私は少し照れくさくて、顔を隠すように横を向き志貴から視線を外した。
「仕事始めは来週から。でも今週末見せたいもんがあるから、予定空けておけ。日時はまた後で連絡する。いいか、俺からの電話は……」
「三秒以内に出ろ!! でしょ。わかったわよ、ちゃんと出る」
「おお。なんだ、いい心がけだな」
何よ、余裕たっぷりに鼻で笑ってくれちゃって。
カ、カッコいいじゃない……。
更に赤くなった顔を見られたくなくて、手にしていたスマートフォンを鞄の中にしまうと、その場から歩き出す。
でも志貴はそんな私の気持ちに気づくはずもなく、「やっぱ下まで送るわ」と駆け寄るとごく自然に私の手を取った。
こうやって手を握られるのは初めてのことじゃないのに、驚きのあまり足が止まってしまった。
「何してんだよ、さっさと歩け」
「だって、手……」
「繋いじゃいけないって?」
「そんなこと……ないけど」
こうやって思わせぶりな態度ばかりとるから、私はいつも翻弄されて……。
「なんかさ、小町の手握ってると落ち着くんだよな」
私は全然落ち着かない。高鳴っていく心臓の音が自分でもはっきり聞き取れるくらい、バクバクと音を立てて速くなっていく。