恋の神様はどこにいる?
こっちの気持ちなんてお構いなしに歩き出す志貴に、ついていくしかない私の心は複雑で。
もし今のこの気持ちを香澄に話したら、『早く告っちゃいなさいよ!!』とか言われるんだろうけれど。
まだ彼氏と別れて一週間も経ってないし、いきなり私から『好きです』って言われたって、志貴も困るだろうし。
なにせ私は巫女になることが決まっただけで、まだ何も頑張っていなくて。
どうせ告白するならもっと頑張った姿を見せてからというか、その姿を見せて志貴の私に対する気持ちが変わってからというか。
時期尚早。今はまだ早い。
こんなことを考える私は頭が硬いのかもしれないけれど。今までの恋とは明らかに違うものを感じている私は、恋に臆病になっているのかもしれない。
それにしても『落ち着く』って……。それ絶対に、私の事恋愛対象に思ってないでしょ?
男の人の落ち着くは、母親からの愛情を求めてるって何かの本で読んだような。
志貴のお母さんは……。まあ愛情豊かな人だと思うけれど。大人になった志貴は素直に甘えられなくなって、その矛先を私に向けているとか?
それって、あんまり嬉しくないんですけど。
でも今はそれでもいいって、心の隅で喜ぶ自分もいて。
この手がいつか、私だけのものになりますように……。
神様にもう一つお願いを追加しておこうと、頭の中のノートに書き込んだ。