恋の神様はどこにいる?
「可愛らしい人ね。志貴の知り合い?」
「ああ、こいつ? 来週からここで、常勤の巫女として働くことになったんだよ。五鈴の後輩だな」
後輩? ってことは、この人……。
「私は助勤巫女で、いつもここにいるわけじゃないけど。初めまして、白谷五鈴(しらたにいすず)です。よろしくね」
「あ、はい。私は真野小町といいます。こちらこそ、よろしくお願いします」
「五鈴は助勤巫女だけど、巫女舞を舞わせたら右に出る奴はいないからな」
「そんな大袈裟なこと言って。小さい頃からやってるから、ちょっと上手なだけよ」
「何、謙遜してんだよ」
「だって、ホントのことだし」
五鈴さんは、いつの間にか志貴の隣に立っていて。まるで恋人同士がじゃれあうように、会話を交わしていた。
そこには、私の入る隙なんて全くなくて。
胸に痛みを感じると、ふたりから視線を逸らした。
「じゃあ、私はこの辺で」
「え? そうなの? これから一緒に働くんだし、もし良かったら……」
「五鈴、コイツはいいの。小町、またな」
「う、うん」
志貴は素っ気ない口調でそう言うと、五鈴さんを連れて階段を上がっていってしまった。
ひとりポツンと置いて行かれる私。
ものすっごく寂しいんですけど……。
ふたりの後ろ姿さえ見ているのに耐えられなくなって回れ右をして身体を反転させると、一目散にその場を離れた。