恋の神様はどこにいる?

階段を下まで降りると、手はまだ繋いだまま志貴を振り返り見る。

「じゃあ、連絡待ってる」

「おう。三秒以内だからな」

「ふふ。クドい」

傍から見たら、恋人同士が別れを惜しんでいるような光景に笑いが込み上げる。一緒になって笑う志貴の顔を見ていると、そんな遠くない未来にこれが現実のものになるような、そんな気までしてくるから不思議。

でもそんな穏やかな時を、私の後ろから聞こえた女性の声が突然終止符を打った。

「あれ? 志貴どうしたの?」

その言葉と同時に、パッと離される手。

そして志貴は私から少しだけ距離を取ると、視線を声のした方へ向けた。

「おう、五鈴。早かったな」

五鈴?

志貴の視線を追うように私も振り返れば、綺麗な女性が手を振りながらこちらに向かって歩いてきていて。そのハンパない美しさに、思わず息を呑んだ。

「そう? 時間通りだと思うけど。あ、こんにちは」

見惚れてしまっていて、その挨拶が私に向けられたものだと気づくのに数秒掛かってしまい。

「こ、こ、こんにちは!!」

なんて、マヌケな挨拶を返してしまう。

恥ずかしい……なんて思っても後の祭りで。逃げも隠れもできない私は、顔を赤らめ俯いた。



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