恋の神様はどこにいる?

どうせ反論したって『他人じゃないだろ!!』とか何とか言われて、怒鳴られるに決まってる。だったら黙っている方が、数段落というものだ。

それに、可愛げのない女なんて言うくらいだったら、私のことなんて放っといてくれればいいのに。

なんで今日、ここに私を呼んだのよ……。

「バカ……」

好きだった人には振られるわ、ワケのわかんない男には絡まれるわ。

ホント私って、ツイてない。

泣くのは嫌い。女の武器を見せつけてるような気がして。

だから人前では泣かないようにしてきたんだけど……。


───今日はちょっと無理、みたい──…


目頭に溜まってきた涙は目を閉じたと同時にあふれ、鼻の脇をつたっていく。

鼻をズズッとすすると泣き顔を見られないよう俯き、クルッと後ろを向いた。

人前で泣くなんて、何年ぶりだろう。小学三年生のとき隣の席の男の子に、大好きな給食の唐揚げを勝手に食べられた時以来?

どうせ男の人の前で泣くんだったら、大好きな人の前で嬉し涙を流したかったのに。

よりによって、詐欺野郎野々宮志貴の前で泣いてしまうなんて……。

一生の汚点だ。



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