恋の神様はどこにいる?
「もっと若い頃は、まあそれなりの車に乗ってたけどな。やっぱり男は車か? おまえもそう思ってんのか?」
「う~ん。そう言う女性が多いことは間違いないと思うけど、私はこだわらないかな。車は移動のための手段だと思ってるし、そんなことより一緒に乗ってる人のほうが重要というか。好きな人とだったら、車なんてなんでもいいし。今も嫌だったら乗ってない……し」
って、何私語っちゃってるのよ!! これじゃあこの車より、志貴のが大事って言ってるようなもんじゃない。
ないない。そんなこと絶対になーい!!
「へぇ~。やっぱ小町って変わってんな」
「また、そういうこと言う」
志貴の左腕をパシッと叩いて怒ってみせてるのに、何故か志貴はちょっと嬉しそうに笑っている。
変な志貴。
でもその顔が昨日見せた笑顔にちょっと似ていて、私はしばらく志貴の横顔から目が離せなくなってしまった。