愛情の鎖
「ほ、本当に……?」
だって信じられない。
まさかあのコウさんが……?
そう思いつつ、へんてこな声をした私に、やっぱり彼は呆れたように笑うだけ。
「言っとくが報酬は高いぞ」
「なっ、善良な警察がいたいけな市民にお金をとるわけ!?」
「お前は特別だ。後で思う存分、俺が満足するまでベッドの中で謝礼してもらう」
それはつまり私の体で支払えと……?
鬼だ…
やっぱり鬼だ。それ以外の何者でもない。
恐る恐るコウさんを見る。
前途多難……
脳裏にそんな言葉がよぎったけれど、もしかしたら本当に……
本当に逃げ出せるかもしれない。
この状況から私は解放されるのかもしれない。
目の前にはコウさんのたくましい表情が一つ。
それを見つめながら、私は今までにない力とパワー。
希望の光を感じたような気がした。