愛情の鎖
私は瞬きもせず、コウさんを見た。
そんな私をコウさんはやっぱりクールな素振りでうっすらと笑う。
「それが俺の仕事だ」
「……えっ……」
「言っとくが手加減はしねー。だからお前も覚悟ぐらいしとくんだな」
『俺に捕まる覚悟を』
そう言って立ち上がった彼を、初めて少しだけ怖いと思った。
ううん、眩しすぎるオーラを前にして、どんな反応をしていいのか分からなかった。
………て、つまり、その。
コウさんの職業はつまり、
「日本の平和を守るサラリーマン?」
て、こと?
私なりに解釈してそう呟けば、コウさんは「なんだそのだせぇネーミングは」と、またしても呆れたデコピンをかましてきた。
アホかというように目を細める表情は、私の体の中心を大きくかき乱すのには十分なヨウ素だったわけで…