愛情の鎖

人に親切にしなさい。

誰かを憎んだり陥れてはダメ。

誰かに苛められたってあなたも同じことをしてはダメよ。

自分のしたことは必ず自分に返ってくる。

だから笑いなさい。

自分が幸せになりたかったらまず自分が笑うの。

誰かを大切に思ってあげて。

特別な人生なんて望まなくていい、毎日笑って心から信頼できる人と一緒に居られることがきっと何よりの幸福だから…



それが母の口癖だった。

幼いころ、父の隣でにこやかに笑って私の頭を撫でる母は本当に幸せそうだった。

お互いがお互いを思いやり、心から2人は愛し合ってるんだなって幼いながらも私はずっと微笑ましかった。

だから私はその言葉を無条件で信ていた。

そんな母が大好きだったから。

そうなりたいと心から思っていた。

大好きな父や母のように私もそんな人生を送りたい。

私だって2人のような幸せな人生が待ってるはず。

だからそんな母の口癖を本当に信じて疑っていなかった。

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