愛情の鎖
「私、これからどうなるの?」
それが正直な気持ちだった。
それに私の大切な家族は?
あの人がこのまま黙ってるなんて到底思えない。
……もし、宗一郎さんが再び母に危害を加えるようならば私はどうしたらいいの?
大きな不安が込み上げる。
「この先もずっとあの人の影に怯えていかなきゃいけないの?」
そんなの嫌だ。
「私、やっぱり帰ーー」
「梨央」
肩を捕まれ、突然真剣な声で呼ばれた。
「少し落ち着け」
「えっ……」
「もう何も考えるな。悪いがお前には暫く此処にいてもらう。あの男の所には帰さない」
「コウ……」
「あんま、俺を甘く見んなよ」
鋭い眼差しを向けられ、指先でグイッと顎を持ち上げられた。
「私を救ってって言ったのはお前だろ?約束した以上それはきちっと守り抜いてやる。お前の家族も皆、もうあのゲス野郎の好きにはさせない。いい加減俺を本気で信じろよ」