愛情の鎖
それから気を取り直した私達はほぼ昼に近い朝食をとるため、向かい合ってテーブルについた。
気付けばもうお昼の12時。
目の前にはコーンスープとバターたっぷりのトーストと、スクランブルエッグとコーヒー。
どうやらいい匂いの正体はこれだったようで、
「へ〜、これコウさんが作ったの?」
「一応」
「こっちのスープも?」
「いや、それはお湯を入れただけのインスタント」
「ふふっ、コウさんってあんま料理とか得意じゃないでしょ」
「だったらなんだ」
「別に?今度暇なときにスクランブルエッグの綺麗な焼き方教えてあげるね」
私はクスクスと目を細めた。
だってこんな風に卵をこんがり焼く人って初めて見た。ふわふわの「ふ」の字もないほどの焦げ具合はもはやヘビー級。
きっと普段料理なんかしないんだろうなって、思うぐらいのそれは何だかくすぐったくて無性に微笑ましかった。
だってそんな人がわざわざ私のために作ってくれたんだもん。これは貴重だよ。嬉しすぎるもん。