愛情の鎖

だってこの先何かあるか分からない。

宗一郎さんがこのまま黙っているわけがないに決まってる。
だからまだ色恋よりは断然恐怖の方が強かった。

宗一郎さんとの決着が完全につくまでは私も慎重に行動しなきゃいけない。

そんなことを思いつつ、そっとコウさんの姿をもう一度覗き見る。

リビングでソファーに座り、テレビのニュースを見つめる彼に何故か時々ギュッと胸が締め付けられる。


……ただ、そんな気持ちとは裏腹にたまに無性に彼に触れたくなるのも事実。甘えたくなるのも本心で、


この矛盾した気持ち…

それが彼もまた同じだということにこの時の私はまだ気がついていなかった。

惹かれ合う気持ち……。押さえられない欲情。

私達が自然に体を求め合う時はこの先そんなに遠くない。

無情にも愛し合う瞬間は思ってるよりも早いのかもしれない。

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