愛情の鎖
どうして気がつかなかったのだろう…
目の前の彼女、いや彼は確かに翔太で、化粧をしていてまるで別人。私が今もっとも警戒していた人物の一人。
「ずっとこの機会を狙ってましたよ」
ゴクリと息を飲み、心臓が凍り付いた私は蚊の鳴いたような情けない声を出した。
「どうして……」
「俺の変装結構さまになってたっしょ」
「ひどいっ、変装なんて卑怯じゃないっ」
「こうでもしないと姐さんに近付けないっすからね」
私は後ろに一歩下がった。
翔太の目が笑ってるようで笑ってない。
むしろ鋭さを醸し出しているようで、思わずビクリと怯んでしまう。
「ずっと私達のことを見てたの?」
「そうっすよ。姐さんと二人っきりになるチャンスを狙ってましたから。ていうか、随分と過保護に守られてるんすね」
翔太の顔から笑顔が消えた。
コウさん達のことを言ってるのか、翔太はチッと舌打ちまでして口調が悪くなる。