愛情の鎖

「ありがとう、コウさん」

「なんだ、気味悪いな」


そして二人して笑いあった。


その後順調に回復した私は、コウさんのマンションでいつもの生活を取り戻した。

思いのほかコウさんは優しく、私が体調を崩してる間ずっと料理までしてくれたほどだ。

あの後聞いた話では、取り調べでまだ翔太は頑固に無言を貫いてるらしい。

宗一郎さんの息の根を留める証拠となるものは断固として口をつむってるらしい。

そんな状況に不安を感じつつも、私はコウさんを信じるしかない。

こうさんなら絶対宗一郎さんの息の根を止めてくれる。

私達家族を救ってくれる。

きっとまた昔の普通の家族に戻れるから。

絶対に戻ってみせる。

あの笑いあった、幸せだったあの頃に…
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