愛情の鎖

ひとしきり泣いたあと私はコウさんと一緒にパトカーに乗せられていた。

ホッとするのもつかの間、運転席には遠藤さん。

そして助手席には唯さんがいて、私の安否を確認すると共に色々とまだ警察署の方でやることがあるみたいだった。


「ごめんね梨央ちゃん。本当はこのまま家に帰してあげたいんだけど、私たちも立場上色々とまだ聞かなきゃならないことが沢山あって」


唯さんが申し訳なさそうに助手席から顔を出す。

彼女もあの後ものすごく心配して駆けつけてくれた。

私を見るやいなやぎゅっと抱きしめ、「よく頑張ったね」と涙を流してくれたことがとても嬉しくて、


「大丈夫です。このままお供します。この際何でも聞いてください」


だから私は微笑みながらはっきりと言った。


「私の分かる範囲でお答えします」


そんな思いで微笑むと、隣からしかめっ面でため息混じりの声が飛んでくる。


「しっかし、派手にやられたなぁ」


コウさんはそう言って濡れたハンカチを私の頬に当てる。

そこは先程の爪痕。宗一郎さんに平手打ちをされたところが痛々しく赤くなっている。


「つーか敦士、お前がいながらなぜこんなことになった」

「…あー…まぁね、俺なりに色々と考えてこうなったというか…」
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