愛情の鎖

「あー…へへ、ごめんなさい。少しお借りしてます」


照れながらペコリ、お辞儀をした。

すると「ああ」と頷きながらコウさんは意外にも私に穏やかな表情をくれる。


「面白いぐらいぶかぶかだな」

「まぁ、そうですよね」


でも温かくて気持ちいい。

まるでコウさんに包まれてるようで、なんだかほっこりとした気持ちにさせてくれる。

やっぱり気恥ずかしくて照れ笑いになった私に、コウさんは何故か手を伸ばし、さらに私を引き寄せた。


「可愛いな、お前」

「…えっ……」


そして後頭部に手が回されて、そのまま唇を奪われる。

私は体制を保つため、咄嗟にコウさんの肩に両手をつき、かろうじてバランスを保とうとする。


朝からなんて濃密な世界…

しかも今可愛いって…

そう思いながらも拒否ることはできず、口から伝わる熱に私はあっという間に溶け込んでいく…


「寒いならもっとあっためてやろうか?」

「えっ」


背中からコウさんの手が滑りこんできた。

彼の唇が今度は私の耳元に移動する。


「もっと熱くしてやる」


そして私の体は反転した。

コウさんの上になっていたはすが、気付けば彼の下に組み敷かれる体勢に変わっていく。
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