飼い犬に恋をした~始まりはいつも雨~
放課後に校舎の中庭に植えてある花に水を掛けていた時
突然誰かが私に言った。
─え?
「先輩のことが好きです」
ふと見ると
美青年…
いや、美少女とも言えるような男の子が立っていた。
髪は猫っ毛でふわふわしている。
「先輩?」
私がみとれ…てなんかはないけど何も言わないからその子は顔を覗いてきた。
「ち、近いから。てかあんた誰なの?」
「俺、1年の高宮 壱って言います!」
あー。クラスの女子もそう言う名前の後輩で騒いでたな。
「私、誰とも付き合う気ないから」
「でも俺、諦めないんで!」
そう言って去っていった。