神聖魔法団【下】



首だけを黎奈たちの方に向ける。



俺たちがもう動けないと分かったのか。



炎虎と涯がやられたらもう手段がない。



天音たちには逃げてもらいたい。



俺が立ち上がることができれば。



もっと俺が強ければ。



あの痛みに耐えたじゃないか。



狂いそうな痛みに耐えたじゃないか。



なんで俺の体は動かないんだ。




どうしてだ。


指先まで痺れてしまってる。



黎奈の魔力がこんなにも強いとは想像してなかった。



そもそも黎奈がこうなっていること自体が誤算だった。



いつもの黎奈はもう居ないのか?



あんな冷淡な目をしているのは黎奈じゃない。



戻ってきてくれ。



黎奈・・・・っ。




ただ歯を食いしばって涯たちを見守ることしかできなかった。



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