神聖魔法団【下】



もう少し温もりを感じていたかった。




「黎奈さん、綾兎さん」




すると後ろから優しい声が聞こえた。





私とお父さんはLichtの方を見る。




「私が今もってる魔力で貴方たちを光の世界へ帰します。
本当は綾兎さんは帰してはいけないのですが、たくさん助けていただいたので特別にお帰しします。

ただ、時間は少しだけです。
時間を守らないと綾兎さんはこちらの世界にも光の世界にも存在してなかったことになります。
それでも、よろしいでしょうか?」





私とお父さんは顔を見合わせる。




「Lichtいいのか?」



「特別です」



「Lichtありがとう!!!」




「話しは決まりましたね。
それでは光の世界へと帰します。
目を瞑ってください」




そう言われ、お父さんと手を繋ぎ目を閉じた。




Lichtが何か唱えてるのが聞こえた。




終わったかと思うと体が宙に浮いてる感覚に陥った。



怖かったけど手に感じる温もりのおかげで不思議と落ち着いていられた。




私の意識はそこで途切れた。



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