妄想世界に屁理屈を。
「余談ですが皆の名前は私がつけたんですよ。
鸞という漢字だけはあらかじめ決められていたので、ランという呼び名にしました。
朱祢は美しい朱色の文字をいれたくて、アカネにしました。
また、苑雛と黒庵はカエル場所の意味。
女を支えるのが男の子のすることでしょう?
帰る(変える)場所がないと、弱い女の子はつかれて磨り減ってしまう。だから、どちらも名前を家にしたわけです」
苑と庵はどちらも家という漢字だ。
意味は多少異なるが、本質は変わらない。
本当に愛の伝わる名前だった。
「その中で、シロだけは名前がつけられませんでした」
泣きそうな顔をして。
辛そうに、眉を歪めて。
「困ったのです。この子は家にはなれない子だと。だからと言って、名前をつけないわけにはいかない。
困った私はたくさん名前をつけてみました。
ハクとか白霧(ハクム)…遙(ハルカ)とか…」
なぜか遙だけ切なそうな顔をした。
「しかし、なにをつけても彼は返事はおろか目すら合わせてくれませんでした。
後に知ったのですが、彼の眼は邪眼と呼ばれるもので、目をあわせたものを呪う能力があったそうです」
そんなこと知らない私はもの凄く落ち込んでました、と笑った。
徹底した破壊神に、胸が締め付けられた。