妄想世界に屁理屈を。

ガラ、と障子を開けると、庭を挟んだ向こうの廊下で争う二人がいた。

泊まっていった鸞さんは、もうキャリアウーマンな格好だ。

「あ、柚邑になってるー」


スズに言われて下を見れば、なんもない。

ああなんだろ、ホッとするような寂しいような。


「おはよ、スズ」

スズはピンクのパジャマ姿。


「鸞さまがくださったの」


もしかしたら昨日のやつもそうなのかな?


とたたとやってきて「どう?」と両手を広げる。

お星さまのモコモコしたパジャマ。

下ろした茶色の髪とあっていた。


「かわいい」

「な、ロリコン!?」


なんでそうなる。

宮下さんの影響は根深いようだ。


「あ、柚邑」

「ぬ」


ギロ、となぜか鸞さんに睨まれた。


「お主…ああ、ゆーちゃんか」


「男なんで柚邑ですっ」

そっか。

鸞さんは俺の男姿を見たことがなかったんだっけ。

「うぬ。気持ち悪いくらい霊力が一緒じゃのう。気持ち悪いくらい」

「なんで気持ち悪い二回言ったんですか…そりゃあ同一人物だからなあ」

「わらわは男は苑雛と二次元以外受け付けんのじゃ」



< 222 / 631 >

この作品をシェア

pagetop