妄想世界に屁理屈を。
ガラ、と障子を開けると、庭を挟んだ向こうの廊下で争う二人がいた。
泊まっていった鸞さんは、もうキャリアウーマンな格好だ。
「あ、柚邑になってるー」
スズに言われて下を見れば、なんもない。
ああなんだろ、ホッとするような寂しいような。
「おはよ、スズ」
スズはピンクのパジャマ姿。
「鸞さまがくださったの」
もしかしたら昨日のやつもそうなのかな?
とたたとやってきて「どう?」と両手を広げる。
お星さまのモコモコしたパジャマ。
下ろした茶色の髪とあっていた。
「かわいい」
「な、ロリコン!?」
なんでそうなる。
宮下さんの影響は根深いようだ。
「あ、柚邑」
「ぬ」
ギロ、となぜか鸞さんに睨まれた。
「お主…ああ、ゆーちゃんか」
「男なんで柚邑ですっ」
そっか。
鸞さんは俺の男姿を見たことがなかったんだっけ。
「うぬ。気持ち悪いくらい霊力が一緒じゃのう。気持ち悪いくらい」
「なんで気持ち悪い二回言ったんですか…そりゃあ同一人物だからなあ」
「わらわは男は苑雛と二次元以外受け付けんのじゃ」