妄想世界に屁理屈を。

神様。

アカネはそう表現した。


俺、神様なの…?


“神様が中にいんの。あんたがじゃねーよ”


めんどいといいたげに。


“あれは荼枳尼天(ダキニテン)。

てかこいつ、妊娠の神様だぜ?
あんた妊娠したいの?”


に、妊娠の神様なの!?


“あーあーあー。派手にやっちゃってよぉ…そんなに餌が欲しかったのかよ”


「…餌?」


“私のことだろー?”


お、お前餌なの!?


“私はえっらい神様だから。

あいつ女の心臓食うの好きでよ、偉い神様のは美味しいんだとよ”


「お、おかしいよ…」


「な!なんなんだよこの山…」

「落ち着け紅太!今管理人呼んでるらしーぜ」

俺の言葉に律儀に反応する二人だった。


“証拠に烏の心臓ねーよ、あの烏女だし”


女なら誰でもいいのかよ。


“そんな単純な話じゃねーみたいだぜ?
きっと、アイツ…”



(鳳凰、欲しい、鳥、鳥、鳥)



地がくぐもったようなこえ。



< 30 / 631 >

この作品をシェア

pagetop