妄想世界に屁理屈を。

「えーと…だいたい説明したかなぁ…」

「おまえ、大変なものに巻き込まれてたんだな」

「なー!言ってくれたらいいのに、面白いから!」


唇を尖らせた紅太にため息をつく。



「…言えるわけないだろ」



「そりゃあそうだよね。女の子になってます!なんて恥ずかしい以外の何者でもないもんね」


「本当だよ…こんなこと言えるわけ」



え?




今、なんか背後から声が…。


恐る恐る振り返ると、眩しいばかりに金の髪が揺れていた。



小さな体躯に似合わぬ、大きなネックレス。

くりくりの幼気な瞳に、守ってあげたくなっちゃうような愛らしい笑顔を浮かべる一一





「え、苑雛くん!?」




鳳凰の頭脳、苑雛くんが立っていた。



「おにーさーん!」


タッとかけてきて、俺の腰あたりにちっちゃな腕をまわして抱きついてくる。

思わずキュンキュンしながら、苑雛くんに問いた。



「なんで苑雛くんがここに一一」


「えへへ♪おにーさんに会いたくなっちゃったの」


「そっかー!かわいいなぁもう!!」


きゅうっと抱きしめ返してしまった、よく考えろそんなわけないだろ。



「苑雛さま…?どうしてここに…!?」

人間に変身したスズが目を丸くして尋ねる。

「だからぁー、おにーさんに会いたくなってぇ」

「保育園をサボってまででございますか?」

「もー、スズどんどんミサキくんに似てきちゃうね、硬くなってきた」


口を窄めて、にたりと子供らしからぬ笑み。



「ちょっと野暮用で今日はお休みしたの。
その帰りにふとおにーさんのこと思い出して、寄ってみただけ。
宮下に送ってもらってね?」


その言葉に屋上を見渡せば、端っこに宮下さんを発見。

人間嫌いの宮下さんは、屋上のフェンスの外に飛んで、隠れてるつもりらしい。



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