妄想世界に屁理屈を。
「だけど…だけど、邪鬼ちゃん言ってた。
柚邑くんは巻き込まれただけなんだって。
よくわかんないけど、神様に押し付けられたんだって。
だから誤解するのはやめたげてって、必死に」
天探女が、そんなことを。
とてもじゃないが想像つかない。
けれど、恋のキューピットと自負するくらいだ。
恋愛がこじれてくのは見ていて楽しくないのかもしれない。
…いいやつじゃないか。
あとでお礼を言わなくちゃな。
「こんな凹凸の激しい体になっちゃって…悩んだでしょ?困ったでしょう…
ごめんね、気付いてあげられなくって…引いちゃって」
優しく言ってくれるけど地味にしみた。痛いよ引くって言葉。
けれど、純粋に嬉しかった。
こうやって、まっすぐに謝ってくれる百瀬。
隠しててもいいことなのにきちんと罪悪感を感じる優しさが。
つい笑みがこぼれて、いい加減恥ずかしくなってきたから百瀬を遠のけようとした。
「柚邑くん一一私はその優しさがずっと好きだったの」
そして、瞠目する。