妄想世界に屁理屈を。
部屋を跨ごうとしたとき、


「あれ?兄さんは?」


と蜜柑が言い出したのでこけた。

ぷるんと胸が揺れ、ブラの調達の必要性を実感。


「あ!大丈夫?ゆーちゃんっ!」

母さんが心配してくれた。

「だ、大丈夫で…ひゃぁああっ!」


安心したのもつかの間。



なぜか蜜柑に胸を揉まれていた。



もにゅもにゅと擬音を感じつつ、驚きながら逃げる。

「な、なにをするんですか!」

うわぁあん、自分だってまだ揉んでないのに…じゃなくて!

「すっごぉ…柔らかい!男もいいけど女の子最高!

いいじゃん女の子同士なんだし」


「で、でも!」


なぜか耳が熱いんだけど。

ダッシュで間合いを詰め、また俺の胸を揉み始める。


「ちょっ…やめてくださいっ」

「いいなぁ、兄さんこんなデカパイにご奉仕されて――そりゃあBLに目覚めないわけだ」

「やめてっ本当に!」

「もぉ〜、いいじゃん女の子同士なんだしさぁ」


その言葉に切れた。

ぶちんと。



「お、俺は男だぁああああっ」



嫌に可愛らしい声で怒鳴ってしまった。
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