妄想世界に屁理屈を。

「……はあ…」

「ありがとうございました…」と弱々しいお見送りを受けながら、コンビニを出る。

ちらちらと視線を浴びながら、俺はコンビニの袋をまじまじと見た。

ちなみに財布は持ってた俺。カプセルホテル代はないけどね。

財布と本とスズと神様、嫌な組み合わせだ。

「…何に使うのこれ。めっちゃ視線を感じたよ?」

「無害なのに?人間は不思議な生き物だね」

「…スズ、無害だからこそ何に使うか不思議なんだよ。

タオルと塩酸と火とかだったら爆弾かなぁって思えるけど、なんで砂糖と水なの?」

“いや、爆弾かなあって思う方もヤバイし、作る方もヤバイぞ?
つかさー、砂糖と水なら想像つかねーか?”

「何を?」

アカネが落胆したのがわかった。



「砂糖水!」



スズが得意気に叫んだ。

「わかった?柚邑」

…が。

「……え、だからなんで砂糖水を…」

「アカネさま!コイツだめです使えません!」


だからなんでだ。
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