君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

「まもなく、午後の部を開始いたします。生徒の皆さんは、10分以内に席に着いていてください。なお、部活動紹介に出場する生徒は、入場門に集合してください」


そんな放送が入り、慌てて顔を見合わせる私とまーちゃん。

恐る恐る時計を見ると、吹奏楽部で決められていた集合時間まで、あと5分しかなかった。


「こーちゃん、頑張って!」

まーちゃんは、すでに家族と食べていて、それから私と話をしに来たみたい。

どうりで手ぶらだったわけだ。


お弁当の中身を急いで掻き込み、最後にとっておいた大好きな甘い卵焼きも、味わう暇もなく口に詰め込んだ。

その後すぐに集合場所まで向かった。


もちろん走って。
走って走って走って。

やっと着いた頃には、かなり気持ち悪かった。


「うぅー……」

「こーちゃーん、大丈夫ー?」

楽器を用意して、入場門に並んでからずっと、まーちゃんに背中をさすってもらっている。

やっぱり、ご飯はゆっくり、移動は落ち着いてしないとだめだな…。


「午後の部、まずは部活動紹介です。各部の演技に注目して、ご覧ください」

まだ気持ち悪さは治ってないけど、ホルンを構えて気合いで乗り切ることにした。


頑張れ、自分ー!!


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