森に抱かれて

カチャ。

表のドアが開く音がする。

佐藤さんが戻って来るって事は、もうお昼かぁ。
ん?…あっ!!!

「いらっしゃいませっ!!!」

入って来たのは、品の良さそうな初老の女性。智子は、立ち上がって、急いでカウンターから出る。

お客よっ、お客っ。

「いらっしゃいませっ。どうぞ、中へお入り下さい」

女性は辺りを見回しながら、ゆっくり中に足を踏み入れる。

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