こちら元町診療所
『原田、お先。』


「お疲れ様です。」


月末最終日いつものように早く帰るみんなをよそに一人でレセプトと戦う私


『残業ちゃんとつけろよ』


「当たり前です、私の生活は残業代で賄っているようなものですから」


『うっ……痛いとこつくなぁ…。あ、あと来週の金曜日診療所の歓迎会行うから参加しろよ。』


部長が苦笑いして帰っていく姿を見ながらもう一度伸びをする



コーヒーでも飲もうっと。


勝手に高級なコーヒーをドリップするのも慣れた私

部長また買ってきてくださいねなんて心のなかで思う


今週何だかんだでアイツとは殆ど顔を合わせていない


こんなに近くで働いているのに会わないなんて不思議かもしれないけど、看護師じゃないし元々接点なんてすくない


ただ用もないのに勝手に来てたのはアイツだから。


美味しいコーヒーを堪能し終わると、先に着替えて結んでいた髪をおろした。


時間外だし、終わったらすぐ帰りたいから残業中はいつもこうしてる。


よし、やるか。


残り100枚程なら一時間ほどで見れるだろう。


静かなそこで一人きりレセプトに目を通し、6時を過ぎた頃全てを見終わり医師にそれぞれ出すレセプトを纏めた





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