愛させろよ。
吉永先輩は、そんな俺には気づかず言った。

「覚えてるかもだけど、わたしは吉永茉莉花。三年生です」

吉永先輩に促されて、あの彼女の唇が動いた。

俺は、一言も聞き漏らすまいと、全力で集中した。

「二年の桐谷あいです」

落ち着いた声。
彼女の姿にすごく合っている。

それに、二年でよかった。

だけど……名前はあい?

漢字だと……愛になるのか?

そこだけ、なんだかそぐわない。
< 46 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop