愛させろよ。
いったんわかると、あとは簡単だった。

もうすぐ、一ページ目の譜読みは終わりそうだ。

どんどん進めていると、急に右袖がくいっと引っ張られた。

「啓介くん」

茉莉花先輩が、俺を見上げていた。

「すごいじゃない、飲み込み早いのね」

にこにこ笑いかけてくれる。

「ありがとうございます」

「うん、安心した。この調子で頑張れ」

先輩は袖をぱっと放すと、笑顔を残して戻っていった。
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