恋愛なんて、めんどくさい。
「…俺の父親が“フカミヤマサキ”だから?」
「なっ、んで…、今それ関係ないでしょ?!」
やめて。
「寧々の父親も“フカミヤマサキ”なんだろ?」
「はぁ?んなこと一言も言ってないし!」
やめて。
「こないだ、寧々の兄貴…、京太さんに会いに行った。」
「…何勝手なことしてんの。」
やめて。
「寧々の母親にも会って、話してきた。“深宮雅紀”の正体も。」
「やめて!」
両手で耳を押さえる。
「聞きたくないってそんなの…っ。どうせ同姓同名ってオチでしょ?あたしの聞き間違いってオチでしょ?あたしのニ週間の苦悩を返してって、あたし一人恥かいただけで終わるんでしょ?」
もうミエミエだよ。鉄板だよ。
わかってるんだから、それ以上言わないで。
「――同一人物だった。」
「はっ…?」
「俺の父親と寧々の父親、同一人物だった。」
「はぁっ…?冗談キツいって。馬鹿じゃないの…?」
「冗談じゃねぇ。何回も聞いた。何回も確認した。…でも何十回確かめたって結果は同じ…。俺と寧々は…「言わないで!」
「黙って!黙れ!」
近くにあったクッションを慧に向かってぶん投げる。