気まぐれな君も好きだから
すぐに明るい気持ちには戻れなくて、しばらくバックヤードにあるデスクで、ダラダラと本部に提出する報告書を書いていた。

自分の至らなさをわざわざ報告するみたいで、書いていて余計に気が沈む。



「久保さん、それ書いたら、先にお昼行って来て下さい。その方が気が安まるかもしれないっていうか、ちょっと休んだ方がいいっていうか.......。」

「ありがとう。守井君、優しいね。」

「いや、そんなことないですけど、さっきのは明らかに久保さんが悪いんじゃないし.....。」

「どうかな.......わかんないけど、じゃ、書いたら、お昼行ってくるね。」

「はい。」



部下にこんなに気を使わせるなんて、恥ずかしい。

でもまだ気持ちがザワついていて、落ち着かないのも事実だ。

このまま売り場に出ても、怖い顔して考え込んじゃいそう。

お言葉に甘えて、しばらく一人になろうかな..........



「すいません。ちょっと頭冷やして来るんで、何かあったら、ピッチで呼んで下さい。」



作業をしていたパートさん達にそう伝えて店内用PHSをポケットに入れ、タイムカードを押して、屋上に上がった。

あそこなら誰にも会わずに、一人でゆっくり考え事ができるだろう。
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