気まぐれな君も好きだから
同じ感覚を俊から感じられたら、全てが上手く行くのに..........

そんな理想を言っても何も始まらないのはわかっているけど、辛い課題をいくつも抱えて苦しむことから、本音を言えば、もう逃げ出したい。

俊と結婚して家庭に入れば、私にだって誰もが羨むような幸せが、たやすく手に入るのかもしれない。

面倒な悩み事から開放されて、楽になれるのかもしれない。



だからと言って、もし今そうしてしまったら、また後悔するのはわかっている。

俊には申し訳ないけれど、私が結婚に踏み切るとしたら、やっぱりそれは全部に諦めがついた時。

今夜、俊に結婚をほのめかすような言葉を聞かされても、私はきっとすぐにはなびかない。

「理想的な旦那様」になるであろう完璧な彼氏からのプロポーズを受けようとしないなんて、普通に考えたらどうかしてる。

でも三年もの間、辛い思いをしながら私を愛してくれた人だから、今度こそいい加減な返事はしたくない。



そして仕事のこと、古谷君のこと、遥希のこと........

もちろん、どれもそう簡単に決着が着くとは思わない。

何一つとして思い通りに行かないけど、私にとっては全部がとても大事なことだ。
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