気まぐれな君も好きだから
思わず古谷君の胸に飛び込み、泣き顔を隠すようにしがみつく。

古谷君の腕が私を優しく包み込む。

その瞬間、私達の関係が、今までとは変わった気がする。



遠くの方で、地下鉄のホームに電車が入ってくる音が聞こえる。

もう本当に帰れなくなる。

でもこれで良かったんだと思う。

悲しい気持ちを抱えたまま古谷君と離れてしまうのが、とても怖かったから。



ずっと言えなかった気持ちを、初めてお互いに口にした。

言ってしまったら、ただの同期じゃいられなくなるってわかってるのに。

もしそうなっても、そこから先はどうすることもできないって知ってるのに。



それでも伝えずにいられないくらい、やっぱり私は古谷君が好きで、諦めがつかなくて、それが彼をこんなにも苦しめているなんて気付いていなくて..........

朝まで一緒にいるって決めたはいいけど、この気持ちをどこに持って行けばいいんだろう。

両思いだって確認し合えたことはとても嬉しいのに、その反面、行き場のない思いが大き過ぎて破裂しそうだ。



古谷君は、今、私と同じ気持ちなのかな。

いや、私なんかより、もっともっと辛いのかもしれない。

叶わないのに、終わらせられないなんて..........
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