気まぐれな君も好きだから
一番先に元気良く「いらっしゃいませ」を言った人に、古谷君が笑顔を向けた。

すると向こうもパっと明るい表情になって、前掛けで手を拭きながら、カウンターの外に出て来た。

短髪で、色黒で、笑うと細い目がなくなる、お寿司屋さんが似合う、感じの良い人だ。



「マジで来てくれたんだ。」

「どんな感じか見てみたかったからさ。」

「ありがとう。今、混んでるからテーブル席しかないんだけどいい?」

「うん。」



お友達は、私の顔をチラチラ覗きながら、奥のテーブル席に案内してくれた。

ここの方が落ち着いて話せるから、返って良かったかも。

古谷君と向かい合って座ると、お友達はすぐにお茶を運んで来た。



「彼女?」

「いや。」

「じゃ、これからなるんだ。」

「えっ? なんで?」

「だって二人でいる感じがすごく自然だから、ずっと付き合ってる子なのかと思った。」

「はははは.......マジ?」

「違うの?」



古谷君が一瞬、キョトンとしている私の顔を見る。

いきなり、すっごいドキドキする展開。

いや、このくらいのことで緊張してる場合じゃない。

笑顔! 笑顔! しっかりしろ、私!
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