堅物くんとの恋愛過程
時刻は8時過ぎ。
学校に登校してくる生徒のピークを迎える。
「このピアスは校則違反でしょ?」
私より頭ひとつ大きな背丈の後輩であろう男子生徒を真正面に捕らえ
その左耳に着けた小さなピアスを私は指摘した。
「え~先輩。こんくらい見逃してよぉ」
「規則は規則。没収するから外して」
「コレ、彼女からのプレゼントなんだよぉ」
「ダメダメ。ほら外して」
佐伯くんに見習って風紀委員としての仕事を全うしたいと思う私は、決して甘えを許さない。
本音を言えば“今日”あんなことさえ無ければ
私だって、ここまで意固地にならずに済んだのだろう。
最初こそ可愛くお願いしてきた男の子だったけど
「はぁ~!?ふざけんなよっ!」
その語気は徐々に激しいものへと変わってきた。
そして
「アンタ、しつけぇんだよっ!」
いよいよ痺れを切らした男の子は私に向かって拳を振り上げてくる。