堅物くんとの恋愛過程
絶体絶命!
思わず瞳をギューッと閉じた。
「…………」
が、しかし
その衝撃は一向に訪れない。
恐る恐る瞳を開け、辺りを伺うと
「何をやっているんですか?」
目の前には大きな背中が立ち塞がっていた。
「あ………」
「女生徒に手を挙げるなど言語道断。キミは確か1年B組 坂巻伸二くんですね?」
男子生徒より遥かに大きな佐伯くんは、彼の振り上げた拳を容赦なくひねり上げている。
「キミの浅はかな行いで、バレー部が夏の大会に出場出来ないといった事態に発展せねば良いのですが」
佐伯くんのその言葉に一気に顔を青くしていく男の子。
「わ、わかりました!スミマセン!ピアスも外しますから」
「理解していただけたのなら、幸いです」
男の子の様子に佐伯くんもようやく軟化の態度を示す。
そして
「ホントすみませんでした」
私の手の中にピアスを慌てて納めると、男の子は逃げ出すようにしてこの場を去って行った。